
創業50年の社史と自らの生い立ちなど様々な事について語る技研製作所・北村精男社長=2月15日午後2時27分、高知市布師田の技研製作所本社(薩摩嘉克撮影)【拡大】
大震災から7年たった現在、同社が開発した、鉄の杭を地中深く差し込むことで、地震による液状化や津波による堤防などの倒壊を防ぐ「インプラント工法」は全国に広がっている。だが、国交省がガイドラインをまとめた時点では、「インプラント工法への認識はなかった」と、ガイドライン検討会座長を務めた高知工科大学長の磯部雅彦は打ち明ける。
土木の専門家らは、長年改良を重ねてきたフーチング工法(コンクリートの堤体を地盤の上に載せる)の発想から抜けきれなかったとする。東日本大震災の経験を経て、地盤と一体化するインプラント工法への理解が進みつつあるという。
長年既成概念と戦ってきたという北村は「堤防や防波堤が国民の生命や財産を守りぬく『責任構造物』であるべきという覚悟の不足が、従来工法の設計思想に表れていたのでないか」と語った。
=敬称略
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首都直下、南海トラフの地震や多発する水害の危機が迫る中、独創的な工法が注目を集める「技研製作所」は創業50年を迎えた昨年、東証1部上場を果たした。この連載では、北村精男氏が一代で興した同社が、世界企業として発展してきた半世紀を追う。