アマゾン 納入業者に無断で値引き→補填要求か 最安値設定のため (3/3ページ)

アマゾンのロゴ(ロイター)
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 ある業界関係者は「事後の値引き強要がほかのサイトでも横行すれば、メーカーや卸は商売が成り立たなくなる」と強調する。

 独禁法に詳しい川村宜志弁護士は「アマゾンがこうした値引きをやめると価格が上がって消費者には不利益となるかもしれないが、競争がきちんと機能すれば、中長期的には、より安くて良質な商品が生まれるなど、消費者へのサービス向上につながり得る」と指摘する。

 民間の信用調査機関によると、アマゾンが直接取引している業者は約700社に及ぶ。実態解明には、こうした業者から契約実態やアマゾンの要求内容を確認する必要があり、公取委は報告命令による調査も検討しているもようだ。

 アマゾンは平成28年8月にも、他の通販サイトよりも安く販売できるよう出品業者に不当な契約を求めた疑いがあるとして公取委から独禁法違反容疑で立ち入り検査を受けている。アマゾンが後に撤回したため公取委は調査を終了した。

 公取委がアマゾンへの監視を強化する背景には、ネット通販市場の寡占化によって懸念される弊害がある。納入業者への不公正な取引要求に加え、価格競争の減少や、新規参入を阻害するような取引は長期的には消費者の利益にも反する。アマゾンに対しては、欧州の競争政策当局も警戒しており、公取委の対応も欧州当局の動きに呼応したものとみる向きもある。

 川村弁護士は「巨大なネット通販業者であり、また、膨大なデータを扱うアマゾンは注目されやすい。だからこそ一層コンプライアンス(法令順守)を徹底する必要がある」と話している。