報告書に基づき東京地裁が、破産手続きから民事再生に移行するか判断する。その日は目前に迫っている。
◆常識もルールも通用しない破綻処理
MTGOXが保有する仮想通貨の売却に、東京地裁は慎重な姿勢をみせている。海外を含めた債権者が多く、ビットコイン相場への影響も懸念されるからだ。
破産手続きの場合、ビットコインでの配当は困難といわれる。いずれは約16万BTCが売却され、金銭に換価される可能性が高い。
一方、民事再生手続きに移行すると、ビットコインでの配当も可能になる。個人投資家も4年ぶりに手元にビットコインが戻り、再び仮想通貨での投資か換価ができる。
破産管財人は「裁判所から新たな決定がない限り、破産手続きはこれまで通りに進行する。破産管財人は破産財団の管理処分権を有する」とコメントを発表している。
乱高下を繰り返す仮想通貨を保有するMTGOXの破産手続きは、今までのルールや常識が通用しない。債権者だけでなく仮想通貨に投資しているMTGOXと無関係の個人投資家まで、固唾を飲んで東京地裁の判断を見守っている。
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