【地球を掴め国土を守れ】技研製作所の51年(26)地下駐車場は「稼ぐ耐震構造基礎」 (2/2ページ)

稼ぐ耐震基礎構想のイメージ
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 北村は昭和50年に、サイレントパイラーで杭打ち機の無公害化に成功したが、実は、42年に会社(前身の高知技研コンサルタント)を創業し独立する以前から「杭の連続壁で地下構造物を一発で造る」ことを着想していた。その構想が、サイレントパイラー開発後約20年で実現したのだ。

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 この駐車場のコンセプトは「地上に文化を、地下に機能を」。立体駐車場を地下に造ると考えれば、地上の省スペースにつながる。この駐車場の自転車版(駐輪場)は、迷惑駐輪が一掃できるとして、全国で設置が進みつつある。

 また、地中深く押し込んだ杭の連続壁は耐震性が高く、ビルの地下にこの方法で駐車場を造れば、ビル全体の耐震化につながる。さらに地下空間を災害時の避難用シェルターに利用することも可能だ。

 地下駐車場が完成した翌年の平成7年に起きた阪神大震災で高知は震度4、13年の芸予地震では震度5の揺れを経験したが、構造に全く影響はみられなかった。そして14年、北村は「稼ぐ耐震構造基礎」というキャッチコピーをつくり、建設専門誌で発表した。

=敬称略

 首都直下、南海トラフの地震や多発する水害の危機が迫る中、独創的な工法が注目を集める「技研製作所」は創業50年を迎えた昨年、東証1部上場を果たした。この連載では、北村精男が一代で興した同社が、世界企業として発展してきた半世紀を追う。