
手間の陥没地点と後方のアパートとの間に杭の連続壁がつくられた=米国フロリダ州【拡大】
続く05年は、米南部を直撃したハリケーン「カトリーナ」により市域全域が浸水したニューオーリンズ市の水路の改修工事で、全体の8割にあたる工事現場でレスキュー工法が採用され、現在も工事は続いている。同市は低地で軟弱地盤に立地しているため、技研製作所米国法人がハリケーン発生以前から、水害を見越し、無振動・無騒音のサイレントパイラーによる工法をアピールしていた。
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こうした海外での経験が“逆輸入”され、東日本大震災後の日本で生かされている。技研製作所社長の北村精男(あきお)は「災害現場では迅速な対応が求められるため、多様な経験の蓄積が必要だ。温暖化など気候変動に伴い世界各地にサイレントパイラーによる工法が求められている」と語った。
=敬称略
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首都直下、南海トラフの地震や多発する水害の危機が迫る中、独創的な工法が注目を集める「技研製作所」は創業50年を迎えた昨年、東証1部上場を果たした。この連載では、北村精男が一代で興した同社が、世界企業として発展してきた半世紀を追う。