【衝撃事件の核心】運営側は「まさか…」 民泊施設が犯罪者のアジトになる理由、対策は (2/3ページ)

特殊詐欺事件で摘発され民泊施設から出る容疑者(1人目)=大阪市西成区
特殊詐欺事件で摘発され民泊施設から出る容疑者(1人目)=大阪市西成区【拡大】

 府警は施設内から詐欺に使われたとみられる携帯電話約50台やノートパソコンなどを押収。パソコンには健康食品販売に絡んだ約5万7千人分の名簿が保存されていた。詐欺集団は4月以降、数週間ごとに市内の民泊を転々としてアジトを移し、名簿をもとに電話で詐欺を仕掛ける「アポ電」を繰り返していたとみられる。

 運営側「まさか…」

 詐欺集団のアジトにされてしまったこの特区民泊。運営会社によると、今年3月に市の認定を受けたばかりだった。

 近くの住民は「見知らぬ人や外国人が大きな荷物を持って出入りしているのを見かけたことがあったが、民泊だと表示されていたので不審に思わなかった」と話す。

 詐欺集団は民泊仲介最大手「エアビーアンドビー」のインターネットサイトから6月2~15日の予定で利用予約を申請。施設は家主不在型で管理人は常駐していなかった。宿泊する客には玄関先のキーボックスの暗証番号を伝えて鍵を受け取ってもらうシステムで、施設側が詐欺集団のメンバーと顔を合わせることは一度もなかったという。

 運営会社は「アジトになるとは思いもよらなかった。今後は鍵を対面で受け渡して本人確認するなど、悪用を防ぐ方法を検討したい」とした。

 盗撮目的の民泊も

 詐欺集団が民泊をアジトにしていた例は実は過去にもある。

詐欺集団にとっての利点