一方、別の見方を示す人もいる。竹山修身(おさみ)市長は、家計調査の中でも白菜に注目する。堺市の平成29年の白菜の購入額は京都市、大阪市に次いで3位。27~29年の3年平均では、京都市と大阪市を抑えてトップだった。白菜といえば鍋には欠かせない食材だが、竹山市長は「堺の人は鍋が好きで、鍋に餃子を入れるのがポピュラーで、だから持ち帰りの餃子が売れるのではないか」と推測する。
餃子の普及を図る一般社団法人「焼き餃子協会」(東京都)の代表理事、小野寺力さん(42)も「もともと関西には、餃子を鍋に入れる文化があり、浜松、宇都宮のツートップを除けば、東日本よりも餃子の消費量は多い傾向にある」と説明する。
さらに小野寺さんは、ニンニクがたっぷり入った餃子はスタミナ満点の食べ物のため、肉体労働が多いとされる工業地帯でよく食べられていると分析。また、持ち帰り用の生餃子や焼き餃子に対象をしぼった家計調査の集計方法にも着目し、「こうした餃子は近所のスーパーで購入することが多く、都市部の子育て世代の多い地域が有利になりがち」と話す。
堺市は、湾岸部に堺泉北臨海工業地帯があり、多くの工場が集積。また、平成27年の国勢調査では、一般的に「子育て世代」とされる20~40代が人口に占める割合は37.2%で全国平均(36.5%)をやや上回っている。
こうして見ると、たしかに堺市に餃子が消費される条件がそろっていると言えなくもない。