【視点】再び「田んぼダム」 水田の貯水力で洪水被害の軽減を (1/3ページ)

広島市安芸区矢野東の土砂崩れ現場=14日午後
広島市安芸区矢野東の土砂崩れ現場=14日午後【拡大】

 西日本豪雨は、列島の半分にわたる広い地域に大変な災害をもたらした。

 山が崩れて家屋を押しつぶし、河川が氾濫して住宅地を水没させた。

 家族を失った人々、住まいを破壊された住民が炎暑の追い打ちを受けている。

 山の保水力をはじめ、ダムの数や貯水量をもう少し増して河川が増水に耐え抜く力を強化できたら、と思う。

 だが、上記のいずれも実現には長い年数と莫大(ばくだい)な工事費が必要だ。

 その一方で、日本の雨の降り方は激しさを増している。1時間に80ミリ以上の雨の回数は、30年前に比べて1.7倍に増えている。豪雨対策には困難が多い。できることはハザードマップの整備や避難計画の立案だけなのか。重要であることは、もちろんだが、残念ながら受け身の対策だ。

 何か積極的な手立てはないだろうか。来年の梅雨時において実施可能で、コストを要さない豪雨対策はないものか。

 そんな夢のような話は、あるはずがないと多くの人が思うだろう。

 だが、あるのだ。山崩れには力が及ばないとしても、洪水の抑制にはかなりの効果を望める方法がある。しかも日本の土地利用の特性を生かした対策だ。

 その手段は「田んぼダム」である。

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