
校外学習後に1年生の男児が死亡し、記者会見で頭を下げる愛知県豊田市立梅坪小の籔下隆校長(右)ら=17日午後、豊田市役所【拡大】
◆すべての組織は事故が発生する要因を洗い出せ
「想定外だった」も同じだが、人の命がかかわることについては「判断が甘かった」は通用しないのだ。
東京都調布市の小学校で2012年12月、給食で乳製品アレルギーのある女児が粉チーズの入ったチヂミを食べて死亡する事故があったが、この時は「担任の確認ミス」と学校側は謝罪をした。
女児はチーズの入っていないチヂミをまずは与えられたが、おかわりしたチヂミにチーズが入っていたのだ。おかわりをしたことを受け、ネットでは「意地汚い子だ」などと心ない批判がされたが、彼女は「完食記録」に貢献しようと不人気だったチヂミのおかわりを買って出たのだ。誰も手を挙げないものだからクラスの役に立とうと考えたのだという。
これも「完食記録」などという、どうでもいい目標を作ったものだから事故に繋がってしまった。
もう謝罪をする日が来ないようにするためにも、今後学校を含めたすべての組織は事故が発生する要因をさらに洗い出す必要が出てくるだろう。「認識が甘かった」式の謝罪で免罪符を与えられるのであれば、それこそ遺族にとってはたまったもんじゃない。
【プロフィル】中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
ネットニュース編集者
PRプランナー
1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『謝罪大国ニッポン』『バカざんまい』など多数。
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【ニッポンの謝罪道】はネットニュース編集者の中川淳一郎さんが、話題を呼んだ謝罪会見や企業の謝罪文などを「日本の謝罪道」に基づき評論するコラムです。更新は原則第4水曜日。