【ビジネスアイコラム】軍が操る政権交代、国際社会の目厳しく…パキスタンは救われるのか (2/3ページ)

 パキスタンでは、こうした権力の「往復」が何度も起きてきた。軍はムシャラフ氏のクーデター以降、過去の教訓から学んだのか、直接手を下すことはなくなった。今回は、軍が司法を使って政権交代を図ったと理解されている。

 シャリフ氏が軍に嫌われた理由はいくつかある。まずは、いったん国外に逃亡し帰国を強行したムシャラフ氏の訴追手続きを進めたこと。もう一つはパキスタンの宿敵インドとの信頼醸成を進めようとしたことだ。

 シャリフ氏は実業家の出身で、インドと隣接する東部パンジャブ州を支持基盤とする。2013年に首相に就任し、インドとの関係改善による経済効果を狙っていた。1年後には、インドでやはり経済政策への手腕に期待がかかるモディ氏が首相になり、2人は会談を重ねた。

 経済が上向くことに誰も異論はないはずだ。だが、インドとの緊張が緩和されることは、パキスタン軍にとっては、利益ではない。両国はカシミール地方の領有権を争い軍事的に対立し、過去、3度の戦争を起こしたほか今も衝突が続いている。

 「パキスタン軍にとって、インドとの軍事的緊張が続いていることが、自分たちの存在意義を生む。適当に荒れている方が都合が良いのだ」。首都イスラマバードの西側外交官はよく、こう語っている。

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