【松本真由美の環境・エネルギーDiary】低炭素社会に貢献! 宮崎大の現場 (2/4ページ)

宮崎大木花キャンパス内のエタノール製造プラント=宮崎市
宮崎大木花キャンパス内のエタノール製造プラント=宮崎市【拡大】

  • エタノールを抽出するための蒸留装置
  • 宮崎大木花キャンパス内のエタノール製造プラント=宮崎市
  • 水素製造装置

 さらに、CPVと水電解装置の電気的接続法を改良してエネルギー損失を抑え、2015年8月、太陽光エネルギーの24.4%を水素エネルギーに変換することに成功しました。このエネルギー変換効率は、世界最高記録です。「CO2フリー水素供給システムは、地球温暖化対策として期待されていますが、水素への変換効率が課題でした。実証でCPVから効率よく水素を製造する技術が確立できましたので、実用化はそう遠くないと思っています」(宮崎大の西岡教授)

 焼酎廃液からバイオ燃料

 宮崎大では、不動産事業などを行っているあなぶきグループ(本社・高松市)と共同で、焼酎廃液からバイオ燃料を製造する研究開発も行っています。宮崎県は3年連続で焼酎出荷日本一になっており、焼酎人気が高まるにつれて、製造工程で発生する焼酎廃液(焼酎かす)も増加し、処理に困っているという実情があります。

 そこで、宮崎大工学部環境応用化学科の塩盛弘一郎教授の研究室を訪ねました。この研究のきっかけをつくったのは、同社イノベーション戦略本部焼酎廃液事業準備室の池田勇人氏でした。

 「焼酎の製造工程で出る廃棄物の処理コストは1トン当たり6000~1万円です。近年は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用したバイオガス発電が注目され、焼酎メーカーの霧島酒造(本社・宮崎県都城市)が工場内にリサイクルプラントを建設し、焼酎廃液から生成したバイオガスをボイラー用燃料や発電に利用しています。ただ多くの中小メーカーはこうした設備投資ができず、廃液処理コストが収益圧迫の要因になっています」(池田氏)

 そこで「焼酎廃液から高効率にエタノールを抽出する技術を確立できないかと、6年前に塩盛教授を訪ねました」(同)という。

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