【Science View】宇宙初期物質の小さなしずくを創成 理化学研究所 (1/3ページ)

≪シロイヌナズナ根端の皮層細胞層の液胞形成機構≫シロイヌナズナの根端組織の皮層細胞層ではまず、ゴルジ体に由来する多胞体(MVB)同士が融合して小さい液胞(SV)が形成され、さらに小さい液胞が融合を繰り返すことで大きな液胞(LV)が形成される。
≪シロイヌナズナ根端の皮層細胞層の液胞形成機構≫シロイヌナズナの根端組織の皮層細胞層ではまず、ゴルジ体に由来する多胞体(MVB)同士が融合して小さい液胞(SV)が形成され、さらに小さい液胞が融合を繰り返すことで大きな液胞(LV)が形成される。【拡大】

  • 秋葉康之
  • ≪PHENIX実験で観測されたハドロンの楕円フロー強度(左)と三角フロー強度(右)≫2つのグラフは、陽子と金原子核、重陽子と金原子核、ヘリウム3原子核と金原子核の各衝突実験において、それぞれハドロンの楕円フローと三角フローが生成されたことを示している。左の縦軸V2は楕円フロー強度、右の縦軸V3は三角フロー強度を表す。
  • 豊岡公徳

 ■宇宙初期物質の小さなしずくを創成

 □理化学研究所 仁科加速器科学研究センター 理研BNL研究センター 実験研究グループ グループリーダー・秋葉康之

 原子核を構成する陽子と中性子は、クォークとグルーオンという素粒子で構成されている。これらの粒子は全て、自然界に働く4つの基本的な力の一つ「強い相互作用」によって強く結び付いているが、約2兆度という超高温下では、クォークやグルーオンがばらばらになった「クォーク・グルーオン・プラズマ」と呼ばれる超高密度のプラズマ状態が生成される。この状態は、約138億年前に起きたビッグバン直後の数十万分の1秒の間、全宇宙を満たしていたと考えられている。これまでの研究により、金原子核(陽子数79、中性子数118)のように大きな原子核同士を非常に高いエネルギーで衝突させると、原子核中の陽子や中性子が融合し、クォーク・グルーオン・プラズマが生成されることが分かっている。今回、理研が参加する国際共同研究グループは、米国ブルックヘブン国立研究所の「RHIC衝突型加速器」を用いて、陽子と金原子核、重陽子(陽子数2)と金原子核、ヘリウム3(陽子数3)と金原子核をそれぞれ衝突させる実験を行った。その結果、全ての実験で「楕円フロー」、「三角フロー」と呼ばれるハドロン(クォークとグルーオンからなる複合粒子)の集団運動パターンが得られた。これにより、小さな原子核と大きな原子核の衝突においてもクォーク・グルーオン・プラズマが生成されることが強く示された。

 本研究成果は、強い相互作用や宇宙初期の状態の理解につながると期待できる。

【プロフィル】秋葉康之

 あきば・やすゆき 東京大学理学部卒。東京大学原子核研究所助手、高エネルギー加速器研究機構助手を経て、2008年から現職。高エネルギー原子核衝突実験による、クォーク・グルーオン・プラズマの研究を進めている。16年よりPHENIX実験国際共同研究の代表者。

 ■コメント=クォーク・グルーオン・プラズマの性質を解明し、「強い相互作用」の理解を目指す。

植物根端細胞の液胞形成機構を解明