【Science View】宇宙初期物質の小さなしずくを創成 理化学研究所 (2/3ページ)

≪シロイヌナズナ根端の皮層細胞層の液胞形成機構≫シロイヌナズナの根端組織の皮層細胞層ではまず、ゴルジ体に由来する多胞体(MVB)同士が融合して小さい液胞(SV)が形成され、さらに小さい液胞が融合を繰り返すことで大きな液胞(LV)が形成される。
≪シロイヌナズナ根端の皮層細胞層の液胞形成機構≫シロイヌナズナの根端組織の皮層細胞層ではまず、ゴルジ体に由来する多胞体(MVB)同士が融合して小さい液胞(SV)が形成され、さらに小さい液胞が融合を繰り返すことで大きな液胞(LV)が形成される。【拡大】

  • 秋葉康之
  • ≪PHENIX実験で観測されたハドロンの楕円フロー強度(左)と三角フロー強度(右)≫2つのグラフは、陽子と金原子核、重陽子と金原子核、ヘリウム3原子核と金原子核の各衝突実験において、それぞれハドロンの楕円フローと三角フローが生成されたことを示している。左の縦軸V2は楕円フロー強度、右の縦軸V3は三角フロー強度を表す。
  • 豊岡公徳

 ■植物根端細胞の液胞形成機構を解明

 □理化学研究所 環境資源科学研究センター 技術基盤部門 質量分析・顕微鏡解析ユニット 上級技師・豊岡公徳

 植物の液胞は、植物細胞の容積の90%以上を占め、根や葉などの生長と発生に重要な役割を果たす細胞内小器官である。液胞が形成される過程として、(1)ゴルジ体から由来する多胞体(MVB)が融合することで大きな液胞が形成される、(2)小胞体から由来する隔離膜が拡張して大きな液胞になるという2つの異なるモデルが提案されていた。

 今回、理研と香港中文大学との国際共同研究グループは、モデル植物であるアブラナ科のシロイヌナズナを用いて、その根端組織の細胞群における液胞の形成過程を広域かつ3次元で捉えることを試みた。ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)単位の分解能で3次元撮影できる透過電子顕微鏡を用いた「連続切片電子線トモグラフィー法」と、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いた「アレイトモグラフィー法」を組み合わせ、細胞全体の3次元再構築を行った。その結果、まず直径100~400nmの多胞体同士が融合して、直径400~1000nmの小さい液胞(SV)が形成され、それらがさらに融合を繰り返すことで直径2000nm以上の大きな液胞(LV)が形成されることを明らかにした。

 本研究成果は、植物の生長と発生に関わる液胞形成機構の長年の謎を明らかにするもので、今後、液胞の形成機構を人為的に制御できれば、植物の生長の向上や有用物質を蓄積させるなど液胞の機能の向上につながると期待できる。

【プロフィル】豊岡公徳

 とよおか・きみのり 2002年、理化学研究所に着任後、研究員、上級研究員などを経て、現在に至る。電子顕微鏡など大型顕微鏡機器の管理運営・技術支援・技術開発、それらを用いた基礎研究・共同研究を遂行。博士(理学)。

 ■コメント=電子顕微鏡技術を駆使し、細胞内の未知な超微細構造物の同定を目指す。

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