社会・その他

富裕層の「ついで観光」特需に期待 関西ワールドマスターズゲームズ (3/4ページ)

 相原氏は「これまで外国人に知られていなかった場所が一躍脚光を浴び、ホットスポットになる可能性がある。SNS(会員制交流サイト)で情報が拡散し、複数の競技会場を移動する選手も多いのではないか」と話す。

 野外競技のオリエンテーリングの会場となる兵庫県北部に位置する香美(かみ)町。同町は「課題は英語」と考え、イラスト入りの指さし会話帳を宿泊施設などに配布する予定だ。WiFiや、現金を使わないキャッシュレス決済の設備導入も進めている。2月には外国人への対応をテーマにセミナーを開催し、宿泊業者らが参加した。町教委は「WMGをきっかけに外国人に来てもらいやすい町にしたい」と話す。

 組織委は、外国人選手らの広域的な移動には、JR西日本が発行する外国人向け乗り放題パスを活用。近距離では、関西経済連合会などが出している訪日外国人向けIC乗車券「関西ワンパス」(KANSAI ONE PASS)とシャトルバスの利用を想定する。関西大会にあわせて、各府県に1カ所ずつの「サテライト・ビレッジ(仮称)」を設けて、選手、住民が集まるイベントも検討中だ。

 組織委がオークランド大会の会場で約4千人に「関西大会に期待することは」と聞いたところ(複数回答可)、「観光」が79.45%、「食」が56.32%、「おもてなし」が46.05%を占めた。

 関西大会にかかわる企業や自治体では、外国人客の増加への期待は大きい。

 近畿でも知名度2割

 関西大会では、35競技59種目を実施する。第1回から9回までの大会参加者の平均年齢は49歳。WMGガイドラインによると、半数以上の参加者で、世帯年収が10万ドル(約1100万円)を超え、選手には富裕層が多いといわれる。平均滞在日数は15.8日に及ぶことから、観光需要も大きい。

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