多様化する『がん保険』 経験者や診断後でも加入できる商品も登場…条件よく調べよう

 

 がんに1度かかった人でも加入できる「がん保険」が注目されている。がん患者数は高齢化で年々増加しているが、早期発見の広がりや治療法の進歩で、治療後に通常の生活に戻れるケースも多い。しかし、一般的には再発の可能性も高いとされ、がん経験者の保険加入ニーズが高まっている。がんにかかるリスクが比較的低い若年層向けに、少額の保険料の商品が発売されるなど多様化も進む。

 ◆5年以上経過が条件

 がん保険最大手、アメリカンファミリー生命保険(アフラック)は3月、がん経験者のための商品「生きるためのがん保険 寄りそうDays」を発売した。(1)がんの治療を受けた最後の日から5年以上経過している(2)過去5年以内にがんの診断を受けておらず、医師から治療を勧められていない-などの条件を満たせば加入できる。

 加入後、過去に経験したがんが再発したり転移したりした場合も、保障対象となる。一般のがん保険のように、初めてがんと診断されたときに支払われる診断給付金はないが、入院、通院、手術などは同じように保障される。

 発売以来、予想以上に好調な出足という。商品開発部の諸谷圭太郎さんは「今後、がん経験者は増えていく。認知度を高めて中長期的に商品を育てていきたい」と話す。

 ◆啓発運動が契機

 乳がんを経験した女性を対象としているのがセコム損害保険の「自由診療保険メディコムワン」だ。乳がんの再発や転移だけでなく、ほかのがんにかかった場合も保障の対象となる。

 商品開発のきっかけになったのは、乳がんの正しい知識と早期発見の大切さを啓発する「ピンクリボン運動」に関わったことだった。「乳がんになる年代は40代がピーク。がんを経験した後も子育ての続く人が多く、保険のニーズは大きい」と総合企画部の石川直己さんは話す。

 初めて乳がんにかかった人が、手術や診断確定の日から一定期間過ぎていることなどが加入の条件だ。極めて初期であれば、診断から6カ月経過していれば加入できる。

 再度がんになった場合は、入院治療なら公的保険の対象外でも、かかった治療費の実費を支給。通院なら5年ごとに最大1000万円を支払う。

 楽天生命保険が昨年11月に発売した「スーパー2000」は、年齢、性別に関係なく、月額保険料2000円で加入できる総合保障保険。がんで入院したときのほか、他の病気やけがによる入院、死亡、高度障害などの際に給付金や保険金を支払う。保険期間は1年で、保険料は同額のまま自動更新される。

 がんの入院給付金は、20~30代なら1年に1回のみ20万円で、40代以降はリスクが高くなるため、年齢層ごとに給付金が段階的に減少する。支払い回数には制限がない。

 1年間入院しなかった人には「健康祝い金」として最大6000円を毎年支払う。担当者は「がんに対する実感が薄い若年層に、まず少額でシンプルな保険に入ってもらい、年をとったら、当社の本格的な医療保険に乗り換えてもらいたい」と狙いを説明する。