認知症の予防 運動や学習ドリルの効果に期待 記憶力維持を掲げるサプリも

 
コナミスポーツクラブの「OyZ(オイズ)運動スクール脳活性化コース」で手をたたく会員=川崎市のコナミスポーツクラブ新百合ケ丘店

 超高齢化で認知症予防の意識が高まる中、運動や学習ドリルで中高年の認知機能の維持、強化を目指す取り組みに関心が集まっている。記憶力維持につながるとうたうサプリメントも製薬、食品会社が販売し、人気だ。厚生労働省の推計では平成37年には認知症の高齢者が約700万人に上る見通しで、これからも同様の動きが強まりそうだ。

 組み合わせ

 「次は奇数のときに手をたたきますよ」

 4月中旬、全国でフィットネスクラブを運営するコナミスポーツクラブ(東京)の「新百合ケ丘店」(川崎市)。60~80代の会員5人が、曲の拍子を数えながら前後にステップを踏み、インストラクターの指示通りに手をたたいた。

 同社は27年1月から、60歳以上が対象のプログラム「OyZ(オイズ)運動スクール 脳活性化コース」を導入している。足踏み運動などの有酸素運動と同時に、リズムに合わせて手拍子を打ったり、簡単な計算をしたりするなど頭を使う。最初はうまくできなかった動作が数カ月後にはできるようになる人もいるという。

 国立長寿医療研究センターによると、有酸素運動と簡単な計算の組み合わせは認知機能改善に効果があるとされる。

 週に1度参加する川崎市の80代の女性は「運動もきつくないし、友達もできて楽しい」とほほ笑む。千葉、愛知の両県、大阪府などの20店で開講しており、今後、全国100店への拡大を目指す。

 ドリル形式

 医療・福祉関連のITサービスを手掛けるエストコーポレーション(東京)は、漢字や数字を使った問題やクロスワードパズルを掲載した冊子を郵送し、自宅で物忘れ対策ができる「脳レク」の事業を27年9月に始めた。認知症予防などに関心のある高齢者を主な対象とする。

 冊子には、1日2ページ、10分程度のペースで取り組む分量の問題を収録。物忘れが気になって入会したという東京都の60代の女性は「昨日何をしたか思い出せるようになってきた」と話す。4週間分の冊子が届くコースの料金が月1058円。

 週に1度の電話でのサポートや、匿名での会員同士の文通、3カ月に1度電話でオペレーターと対話形式で簡単な質問に答えることで脳の健康度合いを診断するサービスを追加できるコースもある。29年3月末までに会員数を1万人に増やすことが目標だという。

 サプリ

 体にどのように良いか国の許可なく表示できる「機能性表示食品」で、記憶力維持を掲げる商品の販売も相次いでいる。大塚製薬のサプリメント「ネイチャーメイド イチョウ葉」は、記憶力を維持する機能が報告されている成分を含むイチョウ葉を使用。小林製薬の「イチョウ葉」や、アサヒグループ食品の「シュワーベギンコ イチョウ葉エキス」も同様の機能を表示したサプリメントだ。

 大塚製薬によると、昨年12月に機能性表示食品として発売したことで、従来のイチョウ葉サプリより取扱店が増え、販売は好調に推移している。

 日本血管内治療学会理事長の岡田昌義医師は「老化していく中で進行するアルツハイマー型や脳血管性の認知症は完治することは難しい病気で、予防が大切。脳の働きの活性化には、家族も含め人と会話することも重要だ」と話している。