“国産ゴジラ”12年ぶり盛り上がる 新作映画が好評、フィギュアやグルメに波及
12年ぶりとなる“国産ゴジラ”として、7月29日に映画「シン・ゴジラ」が公開され、期待を裏切らない面白さで評判となっている。ガレージキットなど造形物の祭典「ワンダーフェスティバル2016[夏]」でも、ゴジラ人気は盛り上がりを見せていて、さまざまなフィギュアが並んでファンの目を引いていた。池袋でもゴジライベントが開催中で、サンシャインシティに巨大なゴジラの足がお目見えして、訪れる人を驚かせている。
毎年、夏と冬に幕張メッセで開かれるワンダーフェスティバル(ワンフェス)では、その時々で人気のキャラクターがフィギュアとなって登場し、何がトレンドなのかを教えてくれる。7月24日に開かれた今夏のワンフェスでは、「シン・ゴジラ」公開を目前にして、ゴジラや特撮関連のフィギュアが目立った。
世界的に知られる造形メーカー、海洋堂(大阪府門真市)のブースには、「シン・ゴジラ」に登場したゴジラの雛形が、2種類並べて展示されていて、でこぼことした表皮など、手の込んだ造形ぶりを感じさせていた。すぐ隣には、人の背丈ほどもあるゴジラが立って、周囲ににらみをきかせていた。
海外でも評価を受けている造形作家の竹谷隆之氏が手がけた「シン・ゴジラ雛形レプリカ特別版(1号雛形仕様)」も展示され、海洋堂ブースで予約の受付が行われていた。99万3600円と高額だが、映画が公開され、東京を蹂躙するゴジラの迫力を目の当たりにしたファンが、手元において少しでも迫力を感じたいと思っても不思議はないくらい、迫真の造形が施されていた。
ほかにもゴジラ関連は、セガ・インタラクティブ(東京都大田区)が、業務用ゲーム機向けに販売している「シン・ゴジラ」を展示。こちらも高い造形力でゴジラファンの獲得意欲を誘っていた。メディコム・トイ(東京都渋谷区)やディーラーとして出展していた造形チームも出展。着ぐるみサイズのゴジラを吊して展示しているところもあった。
6月に東京ビッグサイトで開かれた「東京おもちゃショー2016」では、バンダイ(東京都台東区)がブースにゴジラのフィギュアをずらりと並べ、映画公開前後の商戦に向けて余念がなかった。「シン・ゴジラ」に登場するゴジラや、同作で総監督を務めた庵野秀明氏の代表作「新世紀エヴァンゲリオン」とコラボレーションしたゴジラのフィギュアなどが登場。秋から続々と登場して来る予定で、映画公開の興奮冷めやらぬ気持ちで、注文したくなりそうだ。
ゴジラに踏み潰されたり、ゴジラを味わったりできるイベントも開かれている。ナムコ(東京都港区)が東京・池袋のサンシャインシティで運営しているーマパーク「ナンジャタウン」が「シン・ゴジラ」とコラボレーション。「ナンジャタウン20周年記念イベント『シン・ゴジラ対ナンジャタウン』 ~ゴジラ、ナンジャタウンに襲来!」として、9月25日まで、ゴジラにちなんだフードメニューを提供している。
「ナンジャタウンに襲来!シン・ゴジラ アイス」は、ひび割れから赤い部分がのぞくシン・ゴジラをアイスクリームやチョコレートで再現。ゴジラの足をかたどった「食べ尽くせ! ゴジラフット 餃子」は、鋭い爪の部分が餃子で作られている。
「インファント島からやってきた!モスラ コルネパイ」は、ゴジラと並ぶ人気怪獣モスラの幼虫を、クルクルと巻かれたコルネパイで再現。親となるモスラのフードメニュー「電波塔破壊の危機!モスラ襲撃パリパリクレープ」は、映画「モスラ」のシーンを再現したように、アイスのコーンで作られた赤くそびえる電波塔に、固いクレープ製のモスラが取りついている。
「メカ・ゴジラのメガバスタートルティーヤ」「最強!キングギドラの黄金の餃子カレーピラフ」なども用意。グッズもあって、「シン・ゴジラ」をモチーフにしたスマートフォンケースやモバイルバッテリー、歴代の「ゴジラ」シリーズが描かれたマグネットクリップ、ナンジャタウンのキャラクター、ナジャヴとゴジラがコラボレーションしたキーチェーンなどを購入できる。
そんな「ナンジャタウン」へと向かう途中にある、サンシャインシティのアルパ1階には、9月25日まで巨大なゴジラの足が登場している。建物の天井を突き破って床を踏みにじっているような形をしており、抱えられそうな爪の大きさや鋭さに、ゴジラの巨大さを実感できる。設置期間中の土日祝日(8月1日を除く)正午から午後2時までの時間帯は、専任スタッフの案内で足の下に入って踏み潰されている姿を撮影できる。
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