アニメーションに関する歌を聞かせるライブに何万人もの観客が訪れる。マンガやゲームが原作となったミュージカルや、新作アニメをお披露目するイベントが大勢の来場者でいっぱいになる。アニメやマンガを見たり読んだりするだけでなく、これらのコンテンツを核にしたビジネスが大きな広がりを見せている。作品の人気に左右されがちで、イベントに使える会場が減っている問題を乗り越え、さらに成長していけるのか?
東京ドームが一色に染まった。5万人は入っているだろう観客が手にしたペンライトが、「Snow halation」という楽曲の始まりとともに白く輝き、途中でいっせいにオレンジへと切り替わった。メディアミックス企画「ラブライブ!」から生まれたアイドルユニットのμ’s(ミューズ)が、3月31日と4月1日に東京ドームで開いたファイナルライブでの光景。6年間続けた活動の集大成となるパフォーマンスに、観客も一体となって応え、盛り上げた。
9人の少女たちがスクールアイドルとなって、廃校の危機にある学校を救おうとするストーリーと、設定されたキャラクターに沿って、声優や歌手をしていた9人で結成されたμ’s。音楽CDをリリースし、テレビアニメにも登場しながらファンを増やしていき、2015年末のNHK紅白歌合戦に出演するほどの人気グループとなった。ワンマンライブはこれで見納めという条件もあったとはいえ、東京ドームを2日間埋め尽くし、国内外の劇場でライブビューイングも行われたμ’sと「ラブライブ!」の勢いは、アニソンが持つパワーの強さを証明した。