特に買い手市場の今は「会社を辞めずに転職活動をする」のが、キャリアアップ転職のセオリーと言っても過言ではない。在職中なら気持ちにも経済的にも余裕があるので、自分のキャリアパスにそった転職先を選ぶことができるからだ。
とはいえ、大企業が倒産に追い込まれてしまう経済状況の中、自分の会社が突然倒産し、いきなり失業者になってしまう可能性がないとは言い切れない。「希望退職を募っている」「赤字決算になった」「ボーナスが減額された」など、さまざまな不安要素が思い浮かぶが、専門家は倒産の兆候をどこで判断するのか。数多くの倒産企業を取材してきた2人に聞いた。
[上場企業]倒産の兆候はこれだ
<IR情報は重要な判断材料になる>
株式記者として20年以上、数多くの大企業の倒産を見てきた和島氏。「上場企業の場合は、たいていホームページにIR情報が載っているので、そのなかにある決算書を見れば会社の財務状況がすぐにわかる」のだとか。ポイントは「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つを見ること。和島氏にそれぞれのチェックポイントを上げてもらった。
●「貸借対照表」で借金が多い
いわゆる「バランスシート」と言われるもので、「会社の財産がどうなっているか」がわかります。ここでは「借金が多くないか」をチェックしましょう。
「貸借対照表」は、たいてい左側に「資産」、右側に「負債」「自己資本」が書かれています。「資産」=「負債」+「自己資本」という関係です。