グローバル化に否定的な意見も出された。
国内市場が伸び悩む中、企業の海外進出に対する意欲は高まるばかりだ。「産業の空洞化」への懸念も強まっている。
帝国データバンクの調査によると、2012年5月時点で、今後2~3年に海外進出を見込んでいる企業は、11年度に比べ1.4倍に上る。その理由として多くの企業が「良質で安価な労働力の確保」に加え、「国内市場の縮小」を挙げている。
国内に踏みとどまっていては生き残れないという企業の危機感は強い。少子高齢化が進み、労働力の確保や国内市場縮小への対応として海外進出が一段と加速すれば、その結果として空洞化が進み、雇用の流出で国内市場がますます縮小するという悪循環にある。高い技術力が海外に流れる懸念もある。
グローバル化は、学生からも「少子高齢化に拍車をかけ、国内産業に不利益になる」といった声が出た。
「グローバル」に対し、「グローカル」という言葉がよく使われるようになった。「グローバル」と「ローカル」を掛け合わせた造語だ。グローバル化の進展によって、世界中が多文化・多民族・多言語・多宗教になってきていることを意味し、そうした細かなニーズに応える必要性が高まっている。日本国内においても地域に根差したサービスが求められるようになっている。