人材サービス各社、支援ビジネス強化
人材サービス業界が、中堅・中小企業の潜在的な求人ニーズを探し出し、若者に伝えるビジネスを強化している。大企業志向が根強い若年求職者と、国際競争時代を生き抜く有能人材の獲得に悩む中堅・中小の間に存在する「ミスマッチ」がいまだ解消されていないためだ。日本経済の再生を左右しかねない問題だけに、政府の雇用施策を支える人材サービス各社の役割も増しそうだ。
ミスマッチ解消
「求める人材像を直に伝えないと、ほしい学生が集まらない」
昨年12月、東京都千代田区で開催されたエン・ジャパン主催の就職支援イベント。参加した新日本ウエックス(名古屋市港区)の人事担当者は、自社に合う有能人材を集める苦悩について打ち明けた。
同社はユニホームなどの業務用繊維製品のレンタルと管理で成長し、売上高は約150億円に上る。しかし、学生はインターネットの求人情報サイトを通じて、知名度と待遇で抜きん出た大手に応募する「就社活動」に走る。このため、中堅の同社でさえ採用に苦戦する。中小、零細と規模が小さくなるほど膨大な求人情報のなかに埋没してしまうのは明らかだ。