同社の小川泰正・新卒採用支援事業部長は「新社会人が他の中小企業の同世代と交流する機会も用意し、刺激を与えたい」との構想も温めている。
とはいえ、民間によるミスマッチの緩和策には限界がある。長引く雇用環境悪化で低迷する若者の就職意欲を高める根本課題を残す上、「中小と学生の出合いを全国規模の『面』に広げる」(鈴木正徳・中小企業庁長官)展開も途上だからだ。
インテリジェンスは、都内優良中小企業を訪問する東京都主催の「仕事体験ツアー」を受託するなど、官民協働の就職支援で実績を積む。約9兆円規模の人材サービス産業は、機動的な営業・企画力を蓄積する。その知見を生かす官の手腕も問われる。(臼井慎太郎)
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中堅・中小企業は大卒新卒者とのミスマッチ、産業構造の変化を踏まえた人材育成といった問題に直面している。雇用から人材育成・定着、そして戦力化に向けた企業・団体や政府、自治体などの動きを追っていく。