需要高まる「産後ケア」 専門施設で「ゆっくり母になる」 (2/4ページ)

2013.4.7 10:35

武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町では、助産師から個人の悩みに沿った対応が受けられる=東京都世田谷区

武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町では、助産師から個人の悩みに沿った対応が受けられる=東京都世田谷区【拡大】

 便の回数や授乳など育児本や病院で習った通りにいかないと焦ってしまった。授乳のため、睡眠時間もろくに取れない日々が続いた。だが、センターでは食事や睡眠の時間にスタッフに長女を預けたり、育児で不安なことを直接聞いたりできる。主婦は「自分に合った方法を教えてもらえるし、安心して過ごせました」。

 萩原センター長は「産後の母親は休養が必要。出産後、体が戻るには6~8週間かかる。でも、今はなかなかサポートが得られない状況」と説明する。

 かつては里帰り出産が主流で、産前産後は実家の両親や親族が母親を支えていた。だが、高齢出産の増加で母親の両親世代も高齢になったり、両親世代が働きに出ていたりと支援が得づらい状況に。少子化の影響で子供に接する機会がないままに出産し、子育てに直面するケースもある。

 センターは1泊2日で6万4千円。世田谷区民には9割補助が出る。宿泊とデイサービスを含め、20年度の利用者は約300人だったが、23年度は約730人に上った。

「産後ケアは妊娠期から始まっている」

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