需要高まる「産後ケア」 専門施設で「ゆっくり母になる」 (3/4ページ)

2013.4.7 10:35

武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町では、助産師から個人の悩みに沿った対応が受けられる=東京都世田谷区

武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町では、助産師から個人の悩みに沿った対応が受けられる=東京都世田谷区【拡大】

 出産前から

 東京マザーズクリニック(東京都世田谷区)では、退院後の母親からの相談に応じている。母乳外来を設けたのも母親が相談しやすい環境作りの一つだ。

 だが、山本玲香師長(39)は「産後ケアは妊娠期から始まっている」と話す。妊婦健診のときから産後を視野に入れた指導を行う。出産がゴールではないことを自覚してもらい、赤ちゃんのいる生活にギャップを持たず、安心して育児に入れるように支援するのが理想だという。

 国立保健医療科学院特命統括研究官の福島富士子さん(母子保健)は「核家族化が進み、両親に手伝いに来てもらおうにも夫婦も広い家に住んでいないので長期間滞在が難しい。宿泊施設やショートケアなど母親が退院してから元の生活に戻るまでのギャップを埋めるための支援がまだ足りない」と指摘。そのうえで、「今まで2世帯同居や里帰り出産で学んでいた生活の基本や子育ての知恵が伝わりにくくなっている。産後ケアの中でそういった知識を伝えていく必要がある」と話している。

宿泊型産後ケア事業を実施している自治体は2%

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