就活学生に急増する「海外ネタ作り」　同じ経験でも明暗クッキリ (3/3ページ)

　なぜ、同じ「海外での経験」を伝えたにも関わらず、２人の就職活動の明暗はくっきりと分かれてしまったのだろうか。多くの学生は、上述したＡくんの事例のように、海外へ出掛けた事実だけを羅列する傾向にあるが、これだけでは面接官へのアピールとして非常に弱い。

　一方で、Ｂさんは、日本でなく敢えて海外で生徒指導を行い、何を学び、何を感じたのか、そしてその経験を活かし、志望会社へどのように貢献出来るのか、自身の見解を述べている。つまり、海外が好き、旅行が楽しい、という感情論だけでなく、海外での経験が自分自身にとってどれほど有益な経験で、今後の社会人生活にどう繋がっていくのか、この部分をしっかりと考え、伝えられなければ、せっかくの海外経験が無駄になってしまう。このように、本来であれば面接官へのアピールポイントに成り得る海外経験が、実は必ずしも就職活動を有利に進めてくれる物ではないのである。

　過去の就職活動とは異なり、昨今の就職活動においては、単なる既成事実だけではアピールとして弱くなる。事実に加えて、何を目的とし、何を学び、それをどのように今後に活かしたのか説明する必要があるのだ。今後、何かにチャレンジする学生は、是非ともその辺りを考えてから、行動に移して欲しい。（「内定塾」講師　川尻　早貴）

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