しかし、子供のネット利用を考えるホームページ「ねちずん村」を主宰する群馬大名誉教授、下田博次さんは「マッチング機能を発揮するネットワークサービスは、一般にSNSと呼ばれるものだけではない。過去には携帯電話のプロフ(ネット上に自分のプロフィルを紹介するサイト)でも同様の事件が起きている」と警鐘を鳴らす。
妄想生みやすい
プロフがきっかけの事件は平成20年、千葉県で起きた。30代の無職の男が、携帯サイトのプロフで知り合った中学3年の女子生徒の顔や腹部をメッタ刺しにし、重傷を負わせた。知り合ったといっても、2人が交際していたわけではない。「今日、何してた?」などのメッセージをやり取りしただけだが、途中から女子生徒が返信をやめたことで男が「拒絶された」と感じ、犯行に及んだという。
下田さんは「ネットは錯覚や妄想を生みやすい。千葉の事件のように、自分勝手な思い込みが崩れたときに被害妄想となり、凶行に及ぶことはしばしば起きている。見知らぬ人と安易にメッセージのやり取りをすることが大きな危険をはらんでいることを、保護者は子供にしっかり伝えるべきだ」と指摘する。