中国では新石器時代より、色や光沢の美しい石を玉(ぎょく)と呼び、神秘のパワーを持つものとして崇(あが)めてきた。それゆえ「玉器」は、故宮博物院コレクションの重要な一角を占めている。
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「青磁蓮花形温碗(れんかがたおんわん)」
(汝窯(じょよう)、北宋・11~12世紀)
10枚の蓮(はす)の花びらが重なり合う、ふっくらしたプロポーションが目を引く。全体に細かい貫入(釉のひび)が見られる。温碗とは、熱湯を入れて酒壺を温めるための器らしい。
宋代は特に陶磁器が発展した時代。中でも、河南省に窯があった「汝窯」の端正で上品な青磁は評価が高く、宮廷御用達だった。特に魅力的なのが釉色で、緑がかった青色に、うっすらピンクの光沢を帯びているのがわかる。
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「散氏盤(さんしばん)」
(西周晩期・前9~8世紀)
中国の青銅器時代は、黄河流域で都市文明がおこった紀元前2000年ごろから、商、西周、春秋・戦国時代にかけてのざっと1800年間という。