インターネット検索大手「グーグル」のチーフエコノミストである経済学者、ハル・ヴァリアン氏(66)が2009年に語ったこのフレーズがいま、統計を扱う人たちの間で注目を集めている。データ解析者の優劣が企業の行く末を左右し、数万人規模の人材が必要になることを見据えたうえでの発言。
実際、多くの先進国では大学に統計学部が独立して存在する。一方、日本の大学では経済学部などに講義がある程度。だが、西内さんは専門家を養成する必要は認めながらも、より多くの人が統計を活用することの重要性を説く。
「統計学を産業に用いて最も成功しているのは日本。工場でどれだけの量を生産し、うち不良品は何%か、そして効率よくカイゼン(改善)するのは日本のお家芸だ。経験と勘が優先される社会に、統計の考え方を広く取り入れれば、住みやすい世界になるはずです」