同社の広報担当、辻明宏さん(39)によると、フルーツ魚は養殖魚特有の生臭さがないことから、魚が苦手な子供たちにも好評。「私の小学6年と3年の娘たちもネーミングにひかれ、これまで食べなかったハマチやブリを食べるようになりました」(辻さん)
特産品を利用
特産品の活用も盛んだ。もともとフルーツ魚は、魚の変色や臭みを防ぐため、養殖漁場で始まった。動物性タンパク質を食べる魚に植物性の餌を与え過ぎると肌荒れや消化不良を起こすため、できるだけ魚体に影響を与えず、魚臭さを抜く果実の配分と与えるタイミングが鍵を握る。
大分県農林水産研究指導センターでは平成19年頃から、同県の特産品カボスを使った養殖魚の餌の開発を開始。ブリの餌になる小魚のミンチに数%の割合で、粉末状にしたカボスの皮や果汁を混ぜて魚に与えた。