その結果、カボスに含まれるポリフェノールやクエン酸などの抗酸化作用で「血合い」と呼ばれるブリの赤身部分の変色防止効果を確認。魚の体からは、かんきつ系の果皮に多く含まれる香り物質「リモネン」も確認された。
しかし、実際に香りを感じるかどうかは、魚の個体差とともに食べる側の差も大きいという。研究に携わった同センター主任研究員、木藪仁和さんは食べても香りを感じなかったが、アンケートでは「クセがなくて食べやすい」「さっぱりしているから、いくらでも食べられる」という反応があったという。
注文を受けてからの生産が可能で、販売計画が立てやすいことも広がりの理由だ。4年ほど前からフルーツ魚の養殖を開始した高知県は9月から、特産品のかんきつ類「直七(なおしち)」を使ったカンパチの養殖を新たに開始。11月頃から同県のブランド魚として売り出す予定だ。