ありふれた日常風景なのに、なにかがズレているような、不協和音が聞こえてくるような…。独自の視点で街や人を切り取る写真家、須田一政(すだ・いっせい)さん(73)の個展「凪(なぎ)の片(ひら)」が東京都目黒区の東京都写真美術館で開かれている。初期の作品や代表作、近作までを一覧できる回顧展。須田さんは「変だ、おかしいって思われたい」と飄々(ひょうひょう)と語る。(篠原知存)
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「自分の中で自己評価がありますよね。『いいのが撮れた』っていう。自分が感じたものがあるわけだから、見た人が、同じようにではなくても『これ、変だね』とか思ってくれるとうれしいよね」
展示は代表作「風姿花伝」から。ロープと木の枝に絡まったヤギ、古びた布に覆われた鏡台、祭りの一場面、白塗りの顔面、和服姿の少女…。特定の文脈は読み取れない。ただ一枚一枚が強烈に目をひきつける。何も言われていないのに「うん」とうなずいてしまいそうな。眺めていると、どこか落ち着かない気持ちになっていく。