育自分休暇制度が認定されると配布される専用パスポート(左)と休暇証(サイボウズ提供)【拡大】
制度活用を希望する社員は、退職期間中の活動などを書類に書いて提出。認められれば、すぐに制度を利用できる。退職するので給料はもらえないが、いちいち会社へ近況などを報告する必要はない。
戻りたくなれば、数カ月前に報告するだけで復帰できる。復帰後の役職や給料は、面接を実施して決定。また、6年たって本人がサイボウズに戻らないと決めれば、意志を尊重して復帰を強要しない。
始まったばかりで、これまで休暇取得が許可されたのは2人だが、他の社員からも寄せられそうだという。転職もあるが、青年海外協力隊への参加などサイボウズではできない体験を望む声もあり、理由はさまざまだ。
「一旦、会社をやめても6年間は復職の機会を保障される。安心して、自分磨きに集中できる」と同社社員は語る。
“逆手”の人材戦略
育自分休暇制度は、社員の成長や人間的にも視野を広げるきっかけになりうる。人材流出という痛手にもなりかねないが、人事担当者は「長く当社で働いてもらいたいからこその制度だ」と明かす。