【STOP! メタボリックシンドローム】
東大グループがメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や2型糖尿病(生活習慣などに由来)などの生活習慣病を改善する治療薬候補の開発に成功したことで、運動療法が難しい患者にも同療法と同等の効果が薬で得られる可能性が高まった。5年以内に臨床試験に入る見通しといい、日本発の新薬開発に世界の注目が集まっている。(山本雅人)
臨床試験視野に
発見したのは、東大大学院医学系研究科の門脇孝教授のグループで、その成果は10月30日付で英科学誌『ネイチャー』(電子版)に掲載された。今回の研究は、脂肪細胞から分泌される善玉ホルモン、アディポネクチンの特質に着眼。門脇教授らは600万種以上の化合物の中からそのもととなる物質を発見した。
「アディポロン」と命名された同物質を1日1回、糖尿病のマウスに10日間、経口投与した結果、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンの効きが良くなり、病状が改善した。マウスに脂肪の多い食事を与え続けると120日後には7割が死ぬが、アディポロンも同時に与えたマウスは3割しか死ななかったという。