無添加せっけんにかける父の思いを知ったのは中学生の頃だ。当時、光●さんはせっけんの良さを伝えるため、書籍を執筆。下書きしたものを計算用紙として森田さんに渡していた。
そこには「肌にも環境にも優しい製品を多くの人に届けたい」という意気込みがつづられていた。「すごいせっけんを作っているんだ、と誇らしく思いました」
大学卒業後、シャボン玉石けんに入社。光●さんが既に68歳だったこともあり、「少しでも長く父と一緒に働き、多くのものを吸収したい」と考えた。「入社したい」と伝えると、光●さんはひと言、「そうか」。
「良い物を丹念に作ることが大事だ」「製品の良さを丁寧に伝えていこう」。家では見せないような厳しい表情で働いていた光●さんからは何度も製品へのこだわりを聞かされた。利用者からも「子供の肌の状態が良くなった」などと喜びの声が数多く寄せられていた。