「よろしければ、明日のランチは日本料理をご用意しましょうか」。
旅も中盤にさしかかった3日目の夜。乗客をあれこれ世話するコーディネイターとして乗車していた23歳のインド人美女ラティカさんは言った。
先週のコラムに書いたように、マハラジャ・エクスプレスでの食事は、朝・昼・夕の3食とも、基本的にインド料理またはコンチネンタル料理の2種類が用意されている。しかし7泊8日のツアーでは、乗客の住んでいる国によっては、あらかじめその土地の調味料や食材を食料庫に積んでいるのだという。
事前リクエストの有無に関わらず、食材や調味料を用意しておくのは、日本・韓国・中国・タイからのゲストがいる場合。なかでも、もっとも準備する品目が多いのが日本とか。赤・白・田舎の3種類の味噌や醤油、酒、みりんといった調味料、昆布やかつおの出汁、うるち米と乾麺、しょうがやわさびなど薬味、七味に山椒、とんかつソースまで揃っていた。日本の味が恋しくなったら、いつでも食べてもらえるようにという心遣いだ。日本料理を注文しても、追加料金はかからない。