アマゾンのキンドルのほか、子供向けのタブレット端末も種類が増えてきた。価格は1万円台が中心だ=東京都港区のトイザらス・ベビーザらスお台場店(戸谷真美撮影)【拡大】
名作を安価で
子供向けの電子書店も続々と登場している。詩集や児童書を出版する銀の鈴社は昨年11月、独自の電子書店「銀の鈴社 電子ブックストア」を開設した。井上靖の現存する唯一の詩集『シリア砂漠の少年』や谷川俊太郎さんの『地球へのピクニック』のほか、『新渡戸稲造ものがたり』など、約300点がそろう。
同社取締役の西野大介さん(27)は「総合電子書店ではまだ児童書が少なく、見つけにくい。お客さまとのつながりを強くしたいという思いもあり、独自のストアを開設した」。
価格はいずれも紙の書籍の3分の1程度で『シリア-』で350円。「読者に作品に触れてもらう機会と、新人作家さんたちの発表の場を作りたかった」と西野さん。文字の拡大や反転が可能な電子版の良さを生かし、視覚障害を持つ子供たちにも楽しんでもらいたいという。