具体的には自転車協会のBAAマーク、製品安全協会のSGマーク、JIS(日本工業規格)マークなど。BAAはフレーム強度など約90カ所の検査項目をクリアした自転車のみに貼られる。基準に合った部品は、水銀など環境負荷の高い物質の使用を減らしている。
購入後のメンテナンスも重要だ。古倉宗治・三井住友トラスト基礎研究所研究理事らが参画し、安全・安心な自転車利用を進める「自転車の安全利用促進委員会」は、整備済み自転車と、ブレーキパッドがすり減っている整備不良の自転車の性能比較試験を実施。それぞれ時速16キロで走りブレーキをかけたところ、後者の制動距離は前者より1・64メートルも長いという結果が出た。
遠藤さんは「しっかり止まれなければ交差点内に飛び出す危険性さえある」と整備の大切さを訴える。もしメカに弱いなら自転車店で1年に数回程度みてもらう。タイヤの空気補充や、リフレクターの汚れのふき取りなど自力で取り組める項目もあると呼びかける。
交通ルールとマナーを守ることが事故防止の観点から最も大切だ。子供のヘルメット着用などは浸透してきたが、「車との正面衝突の危険性が高い、車道での右側通行や並走などはまだまだ多い」(同)。