故郷をイメージさせる街を描く。「よく知っている、という絶対的なものがどこかにないと、書いていてフワフワしちゃう」と山下澄人さん【拡大】
高校卒業後、脚本家・倉本聰さんの富良野塾で学び自ら劇団を立ち上げた。平成23年から小説を発表し、翌24年には初の作品集『緑のさる』で野間文芸新人賞を受賞。本作を含めて3度、芥川賞候補に選ばれている。現在は札幌市に拠点を置き、活動領域を文章から絵、映像まで広げる。
自らの小説の執筆過程を「画用紙に落書きするような感じ」と表現する。「遊びの延長だけど、だからといって“軽い”わけではない。熱中して大変なところまで行って、帰れなくなることもある。フリーダイビングの素潜りに似ているかもしれない」
執筆には携帯端末「iPhone(アイフォーン)」を使う。「パソコンだと『いかにも小説書いてるやん』みたいな感じがしてしまう。手書きは字をあまり知らないからいやになって」。関西人らしく、話にしっかりオチが付く。(海老沢類)