「一時は仕事を辞めるしかないと追い詰められました。資格も子育て経験もない人でしたが、本当のおばあちゃんのようでした」。シッターを探す手段として何が適切か、一概には言えないようだ。
シッターが利用される背景には公的な夜間保育の不足がある。認可保育所の延長夜間保育は保育所によって異なり、早ければ午後7時半まで。ファミサポ会員数(平成24年度末)は預けたい会員約44万人に対し、預かる会員が約12万人と、預けたい人の方が多い。
全国保育サービス協会加盟の事業者を通じてシッターを依頼する場合、研修制度や万が一の保険契約が整っているなど安心感はあるが、頻繁に利用すると料金が高額になる。ファミサポは1時間700~800円程度の自治体が多いのに対し、協会加盟事業者だと業者によるが、同1500円程度の所が多い。夜間はたいてい割り増しとなる。
万全といえる預け先はなく、親は不測の事態も想定して手を尽くす。どこなら安全か、百パーセントの確信は持てないのが現実だ。