アスタキサンチンが含まれる代表例にサケやカニ、エビがある。サケは産卵で川を遡上(そじょう)する際の筋肉疲労をアスタキサンチンによって回復しているとされる。人間がこの効果を得ようとすれば、サケを毎日、大量に食べなければならないことが分かっており、天然原料のサプリで効率よく摂取する方法もある。
太田准教授は「改善を目指してアスタキサンチンだけに頼るのはよくない。メタボという初期の段階で高カロリーの食事の見直しや運動療法が大切」と呼び掛けている。
■食の欧米化で増え続け、患者数は推定200万人
食の欧米化によるメタボの増加と並行するようにNASHが増え続け、健診データなどから患者数は現在、200万人程度と推定されている。
NASHは、治療せずに進行した場合、5~10年後に肝硬変、さらには肝がんに移行するリスクが指摘されている。初期の段階では自覚症状がほとんどないため、メタボと診断されたら深刻に受け止め、NASHに発展しないよう予防に努めることが重要となる。