賢一さんの目には教育に無関心に見えたが、目上の人への礼儀などには厳しかった。半面、賢一さんの幼稚園のイベントに若手選手を連れて参加したり、運動会に趣味のカメラを持参して撮影したりと優しい一面もあった。
賢一さんは中学時代、野球をしたことがある。「やってみたら下手。(野球で)日本で一番勝った父を見て、あそこまでいくのは無理だと思っていた。家族にとって野球は厄介もので、勝てばいいけど、負けたらつらい。父からの勧めはなかったし、『やる』と言ったときも喜んでいないようだった」
賢一さんに転機が訪れたのは高校2年生のときだ。正一さんが友人の俳優、長門裕之さんの名前を出し、「映画、出ないか。夏休みだからやってこい。良い経験だ」と言い出した。芸能界には関心はなかったが、長門さんが製作に関わった映画「正午なり」に主演。その後もテレビドラマの主演が2本連続で決まり、俳優業が仕事になった。