東京・銀座にある八木研のギャラリー。新しいタイプの「現代仏壇」が並ぶ【拡大】
立正佼成会の仏壇を扱う立花産業(東京都杉並区)でも5年ほど前から「家具調ご宝前『まごころ』シリーズ」と名付けた卓上や壁掛けの仏壇を扱うようになっている。
妙智會教団(渋谷区)でも会員の声に応えるかたちで25年から、小型の白木の仏壇を紹介している。教団では「初期の会員さんには立派な仏壇を持つ人もいるが、最近の住宅事情ではそうもいかないので小型仏壇を紹介し始めました。一番大切なのは先祖供養の気持ちです」と話している。
■仏壇離れ 檀家制度崩壊も原因
仏壇をめぐる環境の変化について、経済産業省が平成23年にまとめた「仏壇産業の現状と今後のあり方に関する研究会報告書」では次のように言及している。
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仏壇が家庭に普及するきっかけは、江戸時代の寺請制度であったが、高度経済成長以降の産業構造の変化によって、多くの都市生活者は頻繁に居住地を変え、地縁や寺院との関係が薄れることで檀家(だんか)制度が失われ、これに伴い、仏壇需要が大きく減少することとなった。さらに、核家族化や居住空間の洋式化により、仏壇は小型化、簡素化が進み、仏壇の単価が下落することにより、仏壇産業は近年ますます厳しい事業環境にある。(抜粋)