地域の伝統食とともに発展してきた和食の基本調味料の一つ、しょうゆ。食の多様化やメニュー提案型の調味食品の伸長などで消費量も減少傾向にある。こうした中、しょうゆをもっと活用してもらおうと、意外性を感じる「変わりモノしょうゆ」の開発が続いている。(日野稚子)
意外性
しょうゆをかけたはずなのにポテトサラダがカレー味に変わった。スパイスを抑えた、甘めのカレーにしょうゆをかけたような感じだ。「正田醤油(しょうゆ)」(群馬県館林市)が2月に発売した「カレー風味の正油」は、カレーライスにかけるためではなく、カレー味へと変化させるしょうゆだ。「普通のコロッケもカレーコロッケになり、釜玉うどんならカレーうどんが味わえる。しょうゆベースを生かす味作りにしたので用途は広い」と、同社マーケティング部の工藤純哉部長は話す。
同社は1世帯当たりの人数の減少に対応するため、150ミリリットルのペットボトル容器を採用し、「おちょぼ口」シリーズとして展開。倒しても中身はこぼれず、1滴ずつ出せるのが特徴で、これまでに「あげもの正油」など計3品を発売した。「朝食を抜く人も多いし、忙しくて朝食が同じメニューばかりになる悩みを抱える人も多い。なじみのあるカレー味なら楽しんで使ってもらえる」(工藤部長)と、構想から約1年で完成させた。同シリーズでは、意外性を感じる新商品の開発を続けているという。