学校に「1人1台」の時代が来れば、LDの子供が周囲の目を気にせず使える可能性もある。だが、保護者は「困難を補う道具として認めてもらえるか。教室にいる全員が、先生の指示に従って同じ操作をしなければならないようでは意味がない」と不安を漏らす。
ブリキッを運営する「エデュアス」(港区)は平成21年から、東大先端科学技術研究センターやソフトバンクモバイルとともに、スマートフォン(高機能携帯電話)などの携帯情報端末による障害児の学習支援プロジェクトにも取り組んできた。参加した松江市立意東小学校の井上賞子教諭は、書くのが困難でコミュニケーションも苦手な女子児童を教えた経験から、「子供が抱える困難に気づき、必要な支援やアプリが何か見極めることが大切だ」と指摘する。
書いた児童自身も読めない崩れた字を、アプリが読み取って活字に変換する。文字で意思疎通ができるようになると、児童は長文で好きな本や興味のあることを伝えてきたという。「タブレットを使う以前は彼女とコミュニケーションが取れていなかったと気づかされた」と明かす。
同センター協力研究員でブリキッの事務局長も務める佐藤里美さんは「タブレット端末で苦手を補えば、学習に参加できる子供たちがいると知ってもらうことが重要だ」と話している。