本態性振戦は、手足が震える進行性の難病のパーキンソン病と間違えられることが多い。阿部医長は「パーキンソン病は何もしないときに震えるのに対し、本態性振戦は細かい動作で震えが起きる。震えを病気と思わず、病院に行かない人が多いが、パーキンソン病であれば早く治療を始める方がいい」と、震えを軽視しないよう注意を促している。
【本態性振戦のチェック方法】
「年のせい」と見過ごされがちな本態性振戦は医療機関で受診しない人が多く、病名もあまり知られていない。特徴は「スプーンや箸を使いづらい」「文字がうまく書けない」「宴席でお酌をするときに震える」「緊張したときに声が震える」「頭が震える」など。
本態性振戦の可能性があるかどうかのチェックは、渦巻きの線を肘をつかずに内側から外側へなぞってみる。線から大きく外れる場合は要注意。横に引いた平行線の間にもう1本、線を引いたとき、上下の線に当たる場合も注意が必要だ。手が縦に震える人は本態性振戦の可能性がある。