【江藤詩文の世界鉄道旅】インディアン・パシフィック鉄道(4)“何もない”赤い大地を…カンガルー探して右往左往 (2/2ページ)

2014.9.7 18:00

夕陽を浴びて赤い大地を駆け抜けるインディアン・パシフィック号。線路はほぼ直線なので、車両を撮影するのはけっこうたいへん

夕陽を浴びて赤い大地を駆け抜けるインディアン・パシフィック号。線路はほぼ直線なので、車両を撮影するのはけっこうたいへん【拡大】

  • 一瞬だけ見ることができた、オレンジと紫の色調が重なった空。この後すぐ、赤い大地は闇に包まれてしまった
  • スパークリングワインを飲みながら、個室でくつろぐひととき。ソファベッドはサイズが大きめで居心地がいい
  • ディナーに登場した「ナラボー平原のカンガルー肉ベーコン巻き マッシュポテト添え」
  • ほんとうは車窓からこういうシーンが見たかった。これはシドニー郊外で見た野生のカンガルーの群れ

 たちまち吹きつける冷たい強風と乾いた赤い砂。リサと入れ代わりながら、日が沈むまで1時間以上も粘ったが、カンガルーは見つけられなかった。カメラも顔も髪も、口の中も砂でじゃりじゃりしている。ディナー前にシャワーを浴びなくちゃ。

 窓を閉めようとすると、リサが歓声を上げた。「見て、あの空!」。振り返ると赤い大地につながるように、紫からオレンジへと空がグラデーションしている。オーストラリアのレッドセンターでしか見ることができない空だ。

 ダイニングカーに向かうと「カンガルーを見られなかったそうで、残念ですね」と、トレインマネージャーのソニアが声をかけてきた。

 「でも、安心してください。今日のディナーはカンガルーのベーコン巻きです。少なくとも、カンガルーの肉は見られますから」

■取材協力:オーストラリア政府観光局

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

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