怒りの制御がテーマの親子教室では、怒った顔を風船に描いて可視化する=東京都港区(菅野昭子さん提供)【拡大】
どんな時に自分が怒るのかを子供自身が知るのも重要だ。そのために、「怒り日記」や「怒りの温度計」を付けることを勧める。
「怒り日記」では、(1)いつ、どんなことがあったか(2)どう思ったか(3)どんな行動をとったか(どうしたか)(4)どうしてほしかったのか-の4項目を順番に書いていく。怒ったときのことを振り返り、起きた事柄への対処や根底にあった第一次感情を可視化するための方法だ。自分で書けない年齢なら親が聞き取ろう。
「怒りの温度計」は平常時(0点)~怒り爆発(10点)の心境を、10段階で表す作業だ。感情には幅があり、どんな事柄でどの程度の怒りを感じるのかが分かる。未就学児なら「赤・黄・青」のように信号機表示に置き換えてもいい。親も子供と別に怒りの点数を付ける。
怒りを客観的にとらえることで感情的に怒ることは減るという。菅野さんも2人の娘の子育て中に実行し、「点数化することで親として子供に無駄に強く怒っていたことが分かった。怒りやすかった次女も落ち着いた」と話す。怒りの露出で希望がかなう事柄は、家庭の外ではほとんどない。「手を付けられない子供」と諦める前に、自己感情を理解させ、表現させてみることが肝心だ。