山頂で味わったハッセレーダー。泡がなめらかでのどごしがいい。エコ先進国のドイツでは、ボトルのリサイクルや使い捨てカップをなるべく使わないのは当たり前。今回は撮影のためにプラカップをもらったが、他の人はボトルから直接ラッパ飲みをしていた【拡大】
石炭の熱風が吹き付ける運転席では、頬が火照り、やたらとのどが乾いた。「山頂のブロッケン駅に到着したら、よく冷えたローカルビールが待っていますよ」。機関士のフランクのことばに、期待が高まる。
それにしても、ドイツはどこへ行ってもいたるところに地ビールがあるビール天国だ。鉄道の車内や公園のベンチといった人が集まる場所でも、悪びれる様子もなく、午前中からごきげんにグラスやジョッキを傾けているから、こちらもついつい手が出てしまう。
かつて東西ドイツの国境に位置していたハルツ地方には、ドイツ国内のビール醸造所でも大手に数えられる「ハッセレーダー」がある。330ミリリットル入りの小瓶で2.5ユーロ。「山頂では値付けが高く、ふもとの町ではもっと安く買えるが構わないか」「栓はここで抜くか、車内で抜くか」「ボトルはここで返却するか、プラカップは使用するか」。律儀にひとつひとつ確認するところが、いかにもドイツらしい。
ちなみに車内に持ち込む場合は、栓抜きを借りて行き、飲み終えたボトルと共に車掌に渡せばよいそうだ。