野口社長によると、海水より塩分が薄い温泉水での養殖は、トラフグが体内の塩分を調整するエネルギーを節約できるため海水での養殖より半年早く成長し、餌代のコスト削減といったメリットがある。現在は年間約2万5千匹を養殖し、県内や東京など約150店舗に出荷。同町内ではホテルや旅館、飲食店など約20施設で食べることができる。
「温泉トラフグ」養殖の技術は、他の温泉地にも広がっており、遠山郷(長野県飯田市)▽のんびり温泉(福島県郡山市)▽寒河江花咲か温泉(山形県寒河江市)▽とおかまち雪国温泉(新潟県十日町市)-などでも楽しめる。
規制緩和で拡大
高級なイメージのあるフグ料理だが、フグの消費者団体「世界ふぐ協会」(東京都世田谷区)の渡部由佳会長によると、「養殖トラフグの普及で、最近は比較的安く食べられる店が増えている」という。