「これは“レイルウェイ”ではないけれど“トレイン”ですよ」と運転手は笑う。読者のみなさんは、もうおわかりでしょう。ざっくり言うと“レイルウェイ”は線路を走るもの、“トレイン”は車両をつなげたもの。な~んだ、バスなら乗らなくてもいいや。踵を返しかけると「ちょっと待って」と運転手。
「ドイツの鉄道ファンは、こういう列車型の乗り物にも愛を持っています。日本の鉄道ファンの方たちも、きっと好きですよ」。ほんとにそうかな…。なんだか言いくるめられたようで釈然としないまま、わたしは列車、じゃなくてバスに乗り込んだ。
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら